スタッフブログ

2016年2月15日 月曜日

インフォームドコンセントの重要性について

今日は「インフォームドコンセント」について書きたいと思います。

インフォームドコンセントとは、患者さん本人がこれから受ける治療に関して情報を得る権利があるという概念です。ドクターは患者さんに治療方針を説明する義務があり、患者さんはその内容に対してしっかりと理解し、治療内容に納得したうえで治療を開始するというものです。


近年このインフォームドコンセントの概念が歯科治療の現場においても浸透し始めていて、特に歯科矯正治療は虫歯治療と比べ長い時間が必要になることから、注目されてきています。

その背景として、矯正治療の期間が長いということだけでなく、様々なトラブルが現実起き始めているということも挙げられます。先日しっかりとした検査、診断もなく矯正治療が開始されるケースが増えていると産経ニュースで取り上げられたり、見えない矯正ということで、マウスピース矯正や、舌側矯正(裏側矯正)をうたっておきながら途中で治せなくなったということも起きているようです。また、非抜歯で治療する約束でスタートしたところ、後から抜歯することになったという場合もあります。


こういったトラブルは、矯正医の技術の問題だけでなく、患者さんとのコミュニケーション不足からきている可能性が高いのではないでしょうか。

歯列矯正治療は場合によっては年単位の時間が必要になります。患者さんの歯列の状況、顎関節の状況や、歯根・歯槽骨など外から見えない組織の状態など様々な点から診断をしていきますが、とても複雑な要因が絡んでいます。そのため、専門的で精密な検査機器や高度な診査技術が必要になります。
また、抜歯や非抜歯の診断には、専門的な知識や多くの治療経験が不可欠です。

当院では、診断時の治療方針の説明に分かり易い資料を提示し、十分な説明をしております。現在のかみ合わせやあごの骨、口元のバランス、あごの関節などの問題をご理解頂き、その上でご自身にとって最良の治療方針を患者さんと決定していきます。
治療後の歯の位置や口元の変化をシミュレーションでご提示することで、治療後に患者さんの思ったようにならなかったというトラブルは起きることがありません。


患者さんの矯正歯科医院選びの目線は、楽な装置や費用の安さに行きがちですが、体の手術を受ける病院を選ぶのと同じように、治療の説明をしっかりしてくれる不安のない歯科医院選びへと目線を変えて頂きたく思います。

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2016年2月 5日 金曜日

子供のころからの矯正意識

今回は矯正治療に至る経緯に関する調査を見つけましたのでご紹介します。

これは、自分の歯列に対してどのタイミングで意識をもつようになったのか、それに対して矯正治療を受けたかどうか、などの調査です。意外に子供のうちに歯並び治療を受けたいと思っていても治療を受けなかったという方も多くいらっしゃるようです。


ご自身の歯並びについて意識を持つようになるきっかけは人それぞれだと思います。学校の歯科検診で叢生(デコボコ、乱ぐい歯、八重歯)を指摘されたという方や、周りの知り合いが歯列矯正で上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口、反対咬合)などが治ったという話を聞いたなど様々あると思います。

あるインターネットの会社が、成人してから矯正治療を受けた方が、いつから歯並び(噛み合わせ)に意識を向けたのかという調査をしていました。

・大人になってから歯並び(歯列、噛み合わせ)が悪いことを気にした→42%
・子供の頃から歯並び(歯列、噛み合わせ)が悪いことを気にしていた→58%

半数以上の矯正治療経験者が子供のころから歯並びを気にしていたことがわかります。更に子供のころから歯並びを気にしていて矯正治療を受けなかった理由を聞いてみると、

・そもそも子供のころは矯正治療を受けようと思わなかった→44%
・治療したかったが親に相談しなかった、相談したが治療させてもらえなかった→56%

という結果が出たそうです。
更に矯正治療を受けたいと思わなかった理由に関しては、治療費、痛み、違和感、ブラケットなどの矯正装置を付けた際の見た目の問題、受験、部活への影響などが挙げられていました。


今回の調査を見てみると、自分の歯並びに対して気にしている子供が多くいるということがわかります。更にもしかしたらそれを相談できずに日々過ごしている子供もいるかもしれないということもわかってきました。見た目の問題などは白い矯正装置や裏側矯正(舌側矯正)などドクターサイドで解決できる部分もあります。一度子供さんと歯並びに対してどう思っているかお話する機会を作って頂ければと思います。

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2016年1月15日 金曜日

第一印象と歯並びに対する調査結果

今回は日本臨床矯正歯科医会という矯正歯科医の学会が以前に行った調査結果で、第一印象と歯並びの関係に関してのデータをご紹介したいと思います。
この矯正学会は、色々な歯並びと噛み合わせに対する意識調査を行っており、今回のものも約1000名を対象にした調査結果です。


Q1)「歯並びは第一印象に影響を与えると思いますか?」

はい=72.6%
いいえ=27.4%

歯並びが第一印象に影響するのはわかっていましたが、皆さまとしては思ったより多くの70%以上もの方がYESと回答したことには驚かれるのでしょうか。 私としては、まだまだ低い数字だなぁと正直感じました。欧米ではもっと高い数字になると思います。


Q2)どのような場面で綺麗な歯並びだと得すると思いますか?(複数回答可)

①お見合いのや出逢いの場=62%
②入社試験面接=53.7%
③デート=50%
④ビジネス商談時=47.3%

第一位が異性との出会いの場面でした。以前も書きましたが、人生において大きな影響を与える場面に影響があると考えている人が多いようです。「ブライダル矯正」や「就活矯正」といった言葉が出てきているのもこういったイメージからではないでしょうか。
当院でも仕事のために矯正治療を始まる成人の方が多くいらっしゃいます。

Q3) 綺麗な歯並びから得られるイメージは?(複数回答可)

①清潔感=78.7%
②健康的=78.6%
③上品=62.4%
④育ちの良さ=54.3%

清潔感が1位に来ています。Q2の場面においては全て重要な要素ですよね。ほぼ同数で健康的に見えるというのが上がっていますが、見た目のイメージだけでなく、齲蝕(虫歯)や歯周病にもつながることがあったり、肩こりや偏頭痛など実際の健康面につながってくることがだいぶ認識されてきている気もします。


怖いのは歯並びや、噛み合せが悪い際の印象についてです。単純に上記調査の反対として考えると少しぞっとします。しかも第一印象というのは、相手が勝手にその瞬間で判断するものなので、無意識のうちにこちらの印象を決められてしまいます。叢生(デコボコ、乱ぐい歯、八重歯)などの比較的ひどくない状態であればすぐに第一印象に悪影響を与えないかもしれませんが、上顎前突(出っ歯)、下顎前突(反対咬合、受け口)など噛み合せから治す必要がある場合は上記イメージが強調されてしまいます。


ブライダル矯正や就活矯正といった言葉が独り歩きしているのではなく、人生において大切な節目に向かって歯並びと噛み合わせの改善は大きな喜びにつながることを最近とても強く感じます。一人でも多くの人が綺麗な歯並びを手に入れて、さらに充実した生活を送って頂けたらと思います。

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2015年12月16日 水曜日

小児矯正治療:親として気を付けられること

今日は子供の矯正治療に関して、親として協力して頂きたいことについて書きたいと思います。


矯正治療が始まると、一定の期間が必要になります。噛み合わせに関係してくる上顎前突(出っ歯)や下顎前突(反対咬合)のようにある程度長い期間がかかるものもありますし、叢生(デコボコ・乱ぐい歯・八重歯)のように比較的短期間で治る症状もあります。しかしどちらにしても、虫歯治療のように1,2回の来院で治るというものではなく、それなりに時間がかかるのが矯正治療です。

その矯正治療期間の中でまず親御さんにしていただきたいのは、お子さまの管理です。
矯正治療中に自宅でしなければならないことがあります。
まず、毎日のきっちりとした歯磨き・ブラッシングです。これはどこの矯正医に行っても言われることだと思いますし、実際、もも矯正歯科でもブラッシング指導を行います。歯を長く良い状態でもたせるための矯正治療が、虫歯を作ってしまっては本末転倒です。
また、顎間ゴムやヘッドギアーなど、着脱式の矯正器具を使うこともあります。この場合、しっかりと着脱式の矯正器具を使用しないと、その分歯に力が加わっている時間が減り、その分歯の動きは遅くなり、これも治療期間が延びてしまうことにつながってしまいます。


以前日本臨床矯正歯科医会の神奈川支部が行った調査で、子供の矯正治療をすることに決めた理由が出ていました。

・70%:子供の将来を心配して
・30%:子供本人の希望

歯列矯正は、歯に一定の弱い力をかけることで移動させていきます。始めのうちはブラケットの違和感があったり、少しの痛みが生じることもあります。そのため、子供は前向きに矯正治療に臨まないことも出てきてしまいます。そこで、ブラッシング、着脱式矯正材料の使用有無の確認以上に行っていただきたいのは、親子のコミュニケーションだと思っています。

凸凹だった歯が徐々に体感できるように並び始める感動もあります。矯正器具がまだついていても反対咬合が改善され始めると発音が劇的に良くなることもあります。そういった一つ一つの改善や、良くなっているポイントを親御さんから伝えていってください。そうすることで子供さんも矯正治療に対して積極的になり、ブラケットが外れて綺麗な噛み合わせと歯並びが手に入る日をどんどん楽しみに思うようになります。

特に小児矯正の場合は、子供本人だけでなく、親御さん、矯正専門医、衛生士のチームで進めていきます。コミュニケーションが日々とれていることで、治療期間中に出てくる不安や疑問を来院の際に話してくれるようにもなります。そうなれば問題の改善も早くなりますし、何より患者さん自身が安心して矯正治療を続けられることになります。私たち、もも矯正歯科としても患者さんとのコミュニケーションを大切に、安心して治療を提供できるように日々心がけています。

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2015年12月10日 木曜日

海外と日本の矯正治療に対する意識度調査

前回は日本に住む外国人から見た日本人の歯並びについて書きましたが、今回は、海外と日本の矯正治療に対する意識の違いが判る調査結果です。


今回ご紹介する調査結果は、ニューヨーク、上海、東京で、歯並びが悪い方を対象にしたもので、歯列矯正治療を受けたか、というシンプルな質問です。

■「あなたは歯列矯正治療を受けたいですか?」

①ニューヨーク Yes=79.3%

②上海  Yes=85.3%

③東京  Yes=54.2%


ニューヨーク、上海では約8割の方が矯正治療を希望されているのに対して、日本人はわずか半分という調査結果です。

またニューヨークと日本の調査ですが、矯正治療経験者の割合は、ニューヨークで約半数の方が矯正治療経験ありに対し、日本は21.3%という結果もありました。


歯並びの悪い方の割合は出ていませんでしたが、日本人は比較的顎が小さく、叢生(デコボコ・八重歯)になりやすく、また上顎前突(出っ歯)や下顎前突(反対咬合、受け口)といった難症例が多いといわれています。それにも関わらず矯正治療を受けたいと思っている人がとても少ないということに驚きました。

断片的な意識調査の為、原因などを明確にすることは難しいのですが、一つは文化的な違いもあるのかと思います。アメリカでは歯並びが一つのステータスといわれていますし、以前ここにも書いた通り英語の発音の問題もあります。それに対し、日本人は笑う時など口元を隠す文化が根付いてきています。しかし日本のこういった文化のおかげで、見えない裏側矯正など審美の面が発展してきたということもあります。実は見えない裏側矯正(舌側矯正)は日本の先生が開発し、治療方法を確立してきました。


少し話がそれてしまいましたが、矯正治療が必要な方が矯正治療を受けることに対して懸念していることがあれば、ぜひ矯正専門医に相談していただきたく思います。裏側矯正で治療することも出来ますし、これまでここに書いてきた歯並びと健康の問題を考えると、早い段階で歯列矯正を受けたほうが良い場合も多々あります。

まだまだ意識調査で見てみると海外と比べて日本は遅れている現実がありますが、一人でも多くの方が、納得のいく治療方法で素敵な歯並びを手に入れてもらいたいと思います。

投稿者 もも矯正歯科 | 記事URL