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2015年5月25日 月曜日

顎関節症

矯正専門医の歯列矯正は単に歯並びをきれいに並べるだけでなく、噛み合わせ全体を考えた治療をします。その視点で矯正治療を考えていくと顎関節症という言葉にぶつかります。

今回はその顎関節症に関して少し書いてみようと思います。


そもそも顎関節症が注目されるようになったのは、肩こりや偏頭痛の原因の一つとして噛み合せが関わっていることがわかってきたことが考えられます。顎と頭痛などのつながりは一見わかりづらいと思いますが、噛み合わせのズレにより顎の筋肉のバランスがおかしくなり、そのズレた筋肉のバランスを修正するために肩の筋肉が緊張して肩こりにつながっていく場合があります。さらに悪化するとそこから血流が滞り頭痛につながってしまうという研究が進んできたようです。


顎関節症というのは「顎の周囲筋の異常から起こる疾患」と説明されます。顎咬合学会という顎の噛み合わせに関する歯科学会の一つで行われた調査で、17000名のうち14.9%(男性)と17.3%(女性)の方が顎関節症と診断されたというものがありました。今では歯科の三大疾患に虫歯、歯周病と共に挙げられるほど顎関節症は身近にあります。


顎関節症の診断はここに書くと細かくなりすぎてしまいますが、顎関節症になると食べ物を噛む際の顎の上下運動がスムーズにいかず、口の開け閉めの際に痛みを生じるようになります。

これを治療するには個々の原因を探るところから始まるため、様々なアプローチがあります。矯正専門医としては単に歯並びをきれいにするということだけでなく、顎の噛み合わせ状況を踏まえたうえで診断をしていく必要があると考えています。というのも、根本の噛み合わせを解決しておかなければ、いったん歯並びが綺麗に治ったとしてもまた悪くなってしまう可能性が残ってしまうからです。出っ歯や受け口など見てすぐに判断できる症状を解決するだけでなく、見えない部分まで正確に診断してからの矯正治療を続けていきたいと思っております。

顎関節症動画
http://youtu.be/ePD8fkoZjjs


投稿者 もも矯正歯科 | 記事URL

2015年5月 7日 木曜日

噛み合わせと脳の関係について

今日は少し広い視点で「脳と噛み合わせの関係について」お話ししたいと思います。


噛み合わせを改善すると脳の成長に良い影響を与えるというお話です。
生理的に考えると脳と歯、顎は近い位置にあります。脳、歯、顎はすべて頭蓋骨という狭いところに納まっていて、噛むという運動が直接脳に刺激を与え、脳の発達を促しているということがわかってきています。


食べ物を噛む際の刺激は常に脳に伝えられますが、歯根と呼ばれる歯茎に埋まっている部分の外側を覆っている歯根膜から伝わっていきます。歯根膜に噛む際の刺激が伝わると、脳に刺激が伝わり、脳細胞の活性化につながります。脳細胞は6歳ころにほぼ完成すると言われていますが、この6歳という時期は永久歯に生え変わり始めるころです。つまり、6歳までによく噛んで食事をしてきたかということが、脳の成長に大きく影響すると言われています。



また生理学分野でも噛み合わせと脳の関係が証明されてきているそうです。臼歯欠損の患者さんと、合っていない義歯を入れて咀嚼がしっかりと出来ない患者さんの前頭葉機能の数値を測定した後に、噛み合わせ治療を行い、再度調べると、それぞれの患者さんの意欲、集中力が高まるという結果が出たそうです。噛む機能を改善することで、前頭葉の機能が向上するということがわかったというものです。


もともと歯列矯正は、美容のイメージが強く、単に歯を並べるだけという感じが強かったと思いますが、噛み合わせにも注目し、改善することで様々なところに良い影響があるということがわかってきました。今回は脳と噛み合わせの関係に関してですが、精神面とのつながりなどのデータも色々なところから情報が出てきています。見た目の改善としての矯正治療も大切ですが、身体トータルの健康を考えての矯正治療の価値はこれからも広がってきそうですね。
もも矯正歯科では、見た目の改善だけでなく、噛み合わせの治療精度も追求しています。

投稿者 もも矯正歯科 | 記事URL

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