スタッフブログ

2016年6月20日 月曜日

正面からの歯並び・噛み合せチェック

今日は歯並びと噛み合わせの自己診断のポイントをご紹介します。
以前に正しい歯並びのポイントについて書きましたが、今回は正面から見た簡単なチェックポイントをお伝え致します。矯正専門医院では、骨の状態などの見えない部分まで含めて正確に診断致します。


① 正中・正中線
正面からの診断で一番わかりやすいのは上下顎の水平方向のずれです。正中(せいちゅう)というのは真ん中の前歯2本の歯と歯の間を指し、正中線(せいちゅうせん)というのはその歯の間の線の部分のことを言います。上下の正中線が一直線になっているのが正常で、上下の正中がずれている場合は上下のどちらかに問題がある可能があります。
また、ずれている場合、歯がずれているのか、それとも骨がずれているのかを矯正医がセファロレントゲンを計測・分析して調べます。

② 叢生の有無
叢生(そうせい)というのはデコボコのことです。乱ぐい歯とも呼びます。八重歯もこの叢生に含まれます。キレイに並んでいるはずの歯が外側に出ている、あるいは内側に倒れこんでいるかを確認します。また場合によっては捻転(ねんてん)といってねじれている場合もあります。

③ 頤
頤(おとがい)とは顎の先端の部分のことです。口を閉じた時に頤にシワが出来るか、あるいは左右にずれていないかを確認します。

④ 歯の数
基本的に成人の場合は28本です。親知らずを入れると32本になります。一番前の歯から数えて上下左右7本ずつ(親知らず入れて8本)あるかを数えます。齲蝕(虫歯)や歯周病、あるいは生まれつき歯が少ない(欠損歯)ことから28本ない場合もあります。

⑤  開咬
前歯の上下的な咬み合わせの問題です。奥歯を噛みしめているのに、前歯がかみ合わない状態です。この咬み合わせを持つ方の多くは、唾を飲んだ時に、下が上下の前歯の間から出てきます。舌の使い方が問題で、この咬み合わせが起こる場合もあります。

出っ歯(上顎前突)や下顎前突(反対咬合、受け口)などは横から確認しなくてもわかる場合もありますが、今回ご紹介したのは正面からのチェックポイントです。また、食べ物を噛むという運動が入ったときにまた状況が変わる場合もあります。子供の場合と成人の場合でも歯の本数など色々と違いも出てきます。矯正専門医がどういった視点で検査しているのかを考えてみるのも面白いかもしれませんね。


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2016年6月 3日 金曜日

指しゃぶりと歯並び

今日は指しゃぶりと歯並びに関してのコラムを書きたいと思います。

指しゃぶりが長く続くと歯列に影響を与えるということは、みなさんもどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。では実際いつまでに指しゃぶりを卒業しなくてはいけないのかということに関しては小児歯科医と矯正専門医で意見が違いますし、それぞれの歯科医師によっても考え方は違います。なので今回はいつまでに指しゃぶりを止めさせましょうということではなく、実際に長く指しゃぶりが続き、影響を与えるようになるとどうなるかについての情報をお伝えできればと思います。


不正咬合になる原因というのは様々で、遺伝によるものもありますし、舌癖や指しゃぶりのように日々の習慣から生まれるものもあります。舌癖について書いたときにもお伝えしましたが、歯というのはとても弱い力でも動きます。指しゃぶり「程度」の力でも年単位で力が加われば当然歯列にも影響を与えます。

指しゃぶりからくる不正咬合で多いのが出っ歯(上顎前突)とオープンバイト(開咬)です。指をしゃぶり続けることで、上下の前歯が噛み合わなくなり、常に口が開いた状態になります。指をしゃぶる動作は、同時に上顎前歯を外側に引っ張る力も加わります。

意外に知られていないのが交叉咬合、叢生(デコボコ、乱ぐい歯)です。指をしゃぶる力が強くなると、同時に吸い込もうとする力が強まります。この状態は頬が歯列を内側に押す力が加わっています。この力が続くと歯列弓が狭くなり、交叉咬合になったり、歯が並ぶスペースがないことからデコボコに並ぶようになってしまうリスクがあります。


そんな指しゃぶりですが、悪影響ばかりだからといって1歳、2歳からすぐにやめさせるようにする必要はありません。そもそも指しゃぶりは眠気や寂しさをやわらげ、安心を得るために行っています。無理にやめさせようとすると発育や性格に影響を与える可能性もあります。4歳を過ぎても指しゃぶりが続くようであれば、矯正専門医に相談するのがおすすめです。歯並びに影響が出ているかどうかを診てもらい、たとえ現状歯列が悪くても永久歯列期になると自然に納まるということもありますので、少し先を見越して専門医で正確に診断してもらうということが良いと思います。


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2016年4月13日 水曜日

歯の健康に対する意識調査

前回の【見た目・審美】に対する意識調査に引き続き、今回は不正咬合が影響する弊害についての認知度調査です。前回の最後に書きましたが、矯正歯科治療は審美的な部分だけでなく、噛み合わせを含めた機能改善も大切な要素です。

今回も日本臨床矯正歯科医会が行った調査結果で、健康につながるお話です。

Q. 噛み合せが悪いことで起きてしまう問題点は何だと思いますか?

1位:顎関節症 56.8%

2位:齲蝕(虫歯) 54.7%

3位:歯周病 44.7%

4位:発音障害 39.8%

5位:顎変形症 37.5%

6位:口臭 28.2%

7位:ドライマウス 15.2%

このコラムを読まれてきた人は大体ご存知だったものだと思いますが、歯並びだけでなく様々な弊害につながるということがだいぶ認知されてきているようです。

1位の顎関節症に関しては、場合によっては肩こりや頭痛を併発することもあります。7位のドライマウスは口腔内が渇くというだけでなく、唾液による自浄効果も下がり、2位の齲蝕(虫歯)や3位の歯周病に発展してしまう可能性も出てきます。

以前英語の発音のことについて書いたこともありましたが、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(反対咬合、受け口、しゃくれ)や開口(オープンバイト)の場合は大きく発音に影響してしまいます。


多くの患者さんが見た目を気にして歯列矯正治療をされます。リンガル(舌側矯正・裏側矯正)や、クリアなブラケット(矯正装置)が広がってきているのも見た目を気にされる方が多いからということもあります。しかし、今回のように見た目以外の様々な弊害もだいぶ認知されてきています。見た目の改善はもちろん、もっと大切な健康まで目を向けて日々の治療を行っていきたいと思います。

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2016年3月18日 金曜日

口腔筋機能療法:MFT(Myo Functional Therapy)とは

今日は歯列矯正治療後の後戻りにも関係するMFTについてご紹介します。

MFTとはMyo(筋肉)Functional(機能)Therapy(療法)の略で、日本語では口腔筋機能療法と呼ばれています。これは口元や舌の筋肉をトレーニングし、舌の正しい位置を覚えます。 余計な力が歯にかからないことで歯ならびの後戻りを予防できるため、多くの矯正専門医で取り入れられています。


以前舌癖についてご説明しましたが、舌癖は歯並びを悪化させる原因の一つになっています。本来あるべき位置に舌がないことで、前歯を押し出して上顎前突(出っ歯)や開咬になってしまったり、叢生(デコボコ、乱ぐい歯)につながってしまうことがあります。この舌癖を放っておくと、せっかく歯並びを綺麗にしても舌の力によってまた歯列が悪化して後戻りしてしまいます。


この舌癖はアレルギー性鼻炎や蓄膿症、扁桃肥大などの病気から口呼吸になり、結果として舌癖になってしまうということが多々あります。こういった病気は歳を取ることで改善していく場合もありますが、大人になっても治らないということもあります。子供のうちから矯正治療を行う場合、このMFTを同時並行して治療し、大人の場合も後戻りを考えてMFTを進めていくことになります。


MFTはトレーニングといっても実はとても簡単で、例えば舌を上あごにくっつけてから勢いよく離す、舌を細長くして素早く左右に振る、ガムを口蓋に押し付けるなど今すぐにでも始められます。舌と口の周りの筋肉がつくと、咀嚼(噛む、すり潰す)、嚥下(食べ物を奥に送り込む)の動きが正常に戻り、舌が歯に余計な力をかけることが減ります。


一言に歯並びといっても、歯列だけでなく、咬み合せや、こういった口の周りの筋肉を含めて良くしていくことがとても大切です。綺麗になった歯並びを永く維持していっていただきたいと思います。

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2016年3月 4日 金曜日

【見た目・審美】に対する意識調査

これまでに歯科に関する意識調査についてご紹介してきました。
今回は「審美・見た目」に関する調査結果を見つけましたのでご紹介します。

今回の調査は日本臨床矯正歯科医会が1000名を対象に行った調査です。以前にご紹介した第一印象と歯並びの関係を意識されている方やブライダル矯正や就活矯正を希望される方が増えてきているというデータと繋がります。


今回の調査は歯と肌に対する意識の比較調査で、キレイな歯、もしくは肌に幾らお金をかけられますか?という簡単な内容です。

Q. 今よりも綺麗な歯、肌を手に入れるために幾らまでかけられますか?

A) 0~1万円未満
歯:48.4% 肌:53%

B)  1~10万円未満
歯:40.5% 肌:38.4%

C)   10万~50万円未満
歯:9.0%  肌:6.7%

D)  50万~100万円未満
歯:1.8%  肌:0.9%


少し意外でしたが、1万円以上のカテゴリ全てにおいて「歯」を選ばれる方の方が多い結果となりました。日々女性はスキンケアなど美に対してお金を使っていると思いますが、少なくとも「歯」に対しても美意識がみなさん高いということがわかりました。


矯正治療はDが該当しますが、部分矯正を考えてCを含むと全体の10%前後といったところでしょうか。最近審美歯科も結構増えてきているようで、成人でも多くの方が見た目の改善を求めて矯正治療を受けるようになりました。

今回見た目に関するテーマをご紹介しておきながらですが、これまでお伝えしてきました通り、矯正治療は見た目の改善だけでなく、噛み合わせを含めた機能もぜひ意識して頂きたいと思っております。

確かに著しい不正咬合、開口(オープンバイト)、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(反対咬合、受け口、しゃくれ)などを歯列矯正治療で改善すると劇的に表情も明るくなり、喜ばれる方がほとんどです。しかし、同時に日々の食事や発音の問題も解消されていることもまぎれもない事実です。8020運動達成者に不正咬合が見られなかったということも知られていますが、将来自分の歯を残すという観点からも矯正治療は大きく影響しています。


審美・見た目の改善は当然のこととして、それ以上の価値を提供していくのが矯正専門医の役割だと思って日々診療にあったっています。

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