スタッフブログ

2015年4月22日 水曜日

受け口:機能性受け口と骨格性受け口

以前8020運動の達成者の中に受け口の患者さんは一人もいなかったという調査結果をご紹介しましたが、今日は受け口の種類に関して少し書いてみようと思います。


受け口とは、下顎前突、Ⅲ級症例、反対咬合とも呼ばれますが、「しゃくれ」という言い方が一番なじみ深い表現かもしれません。この受け口は出っ歯(上顎前突)と同様、多くの日本人の患者さんがいらっしゃいます。しかし、同じ受け口でも大きく分けて2種類あり、その原因から治療の方針なども変わってきます。


■骨格性受け口

骨格性受け口というのは、言葉の通り、骨格に問題がある受け口のことを指します。下あごが上あごよりも大きく成長していて、下あごが前に出てきている症状です。遺伝の影響など様々な原因から起こりますが、特徴として上下の前歯が接触できず、噛み合わせが浅いというのが考えられます。下あごの成長と上あごの成長のバランスがずれることで起こることから、できれば子供のうちに上顎の成長を促進させながら矯正治療をしたい症例です。大人になってからの矯正治療になると、外科的なアプローチが必要になる可能性が高くなってしまいます。


■機能性受け口

機能性受け口は、前歯の位置や傾きの問題によって起こりやすいと考えられます。下あごを自然に閉じてくると上下の前歯が先に接触し、奥歯で咬みこめない状態になります。お食事を奥歯で咬むために、下あごを前に出さなければならず、結果として受け口となります。骨格的にはそれほど大きな問題がない場合が多く、矯正治療のアプローチとしては、上顎前歯の傾きを治すことで下あごが前に出ないようにします。骨格性受け口と比べると比較的矯正治療はしやすいのですが、やはり長く放っておくと骨格性受け口になっていくリスクも考えられます。

単に受け口といってもこのように治療のアプローチが変わってきます。また歯列矯正をするタイミングによっては難しい症例にもなってきます。できる限り外科治療にしないためにも早い段階で矯正専門医に相談してみることをお勧めしたいですね。



投稿者 もも矯正歯科