症例ブログ

2015年1月 8日 木曜日

矯正治療中のスポーツについて

新年始めの矯正コラムは矯正治療中のスポーツについて書いてみようと思います。
新しい年が始まり、今年こそ運動しようという方も多いのではないでしょうか?

今日のテーマ、矯正治療中のスポーツに関してですが、特に部活動をされている子供さんや、格闘技を習っている方からの質問に対してお答えしたいと思います。

「矯正治療中はスポーツに支障がでますか?」

という質問です。

子供が部活動をしているけれど歯並びは早いうちに治しておきたいという要望を受けることも増えてきました。
通常の授業で行う体育(陸上・マット運動・球技・水泳など)に関しては、心配はいりません。通常の表側の装置であっても、ケガをしたり、装置が壊れたりすることもまずないと言えるでしょう。
矯正治療に影響のあるスポーツとしては、柔道やレスリング・ラグビーなど顔や口にぶつかることの多いスポーツです。これらのスポーツをしていると、人との接触で唇を怪我をしたり、矯正装置自体が壊れてしまうリスクがあります。
まず解決策として挙げられるのは裏側矯正です。スポーツガードと呼ばれるボクシングのマウスピースのようなものもありますが、裏側矯正であれば接触によるリスクはだいぶ減ります(100%安全と言い切れない部分はありますが)。格闘技をされている場合などは直接顔にダメージを受けますので、矯正治療を始める前に相談した方が良いかもしれません。

次に挙げられる解決策はインビザラインのようなマウスピース矯正治療です。インビザラインなどは患者さんご自身で取り外しをする装置なので、スポーツ前に外せば口腔内を怪我することはありません。ただ、マウスピース矯正の場合のデメリットとしては症例が限られてしまうという点です。また、本来ブラケット矯正の場合だと24時間歯を移動させ力が働き続きますが、何時間も部活動で練習する為にマウスピースを外しているとその分治療期間が延びる可能性が出てきます。


スポーツをしている期間が終わってから矯正治療を開始することももちろん可能ですが、以前受け口の際に書いたように、骨の成長を促しながら治療をした方が良い場合(出っ歯などで骨格性の問題を解決したい場合なども)もあります。そういった場合はスポーツをしながらどの様に歯科矯正治療を取り入れていくか、1人1人の生活環境も考えて解決策を提供してきたいと思っています。

投稿者 もも矯正歯科 | 記事URL

2014年12月24日 水曜日

乳歯の咬み合わせについて

子供の咬み合わせに関して「乳歯の咬み合わせが悪いのだけど、放っておいてよいか?」という質問を多く受けるますので、今日はお答え出来ればと思います。

乳歯の咬み合わせが悪いからといって直ぐに歯列矯正をしても、永久歯に生え替わってしまえば再度矯正治療が必要になるのでは?という疑問からこういったお問い合わせがあります。もしそうであれば永久歯に生え替わってからの矯正治療でよいのではないかというのは確かに一理あります。


どのタイミングで矯正治療をスタートさせるべきかは、様々な意見もあり、100%正解というのはないかもしれません。しかし、永久歯に生え替わるタイミングで一度矯正専門医のところで診断してみるというのはお勧めかもしれません。


乳歯列期に矯正治療をしても、永久歯になってから再度矯正治療が必要になるケースもあります。乳歯列期には隙間がたくさんあったのに、永久歯に生え替わったことで矯正治療を受けなくとも自然に歯が綺麗に並んだという場合もあります。
中には1歳6ヵ月時の歯科検診、3歳児の歯科検診の時に受け口(反対咬合)を指摘されていたのに、永久歯に生え変わったら自然と改善されたということもあります。
逆に乳歯列期にはぴったりと綺麗に並んでいたのに、スペースがその分ないために永久歯になってから凸凹になってしまう患者さんもいらっしゃいます。


つまり患者さんの口の状態により違うため、一概に乳歯列期に矯正をすべきかどうかを判断することは出来ないのです。永久歯に生え替わるころになると、顎の成長具合や、歯が並ぶスペース確保の状況などが見え始めます。放っておくか、矯正治療を少しずつ始めるべきか、正確な判断をしてから決めるというのが一番正しい答えかもしれません。

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2014年12月17日 水曜日

第一印象と歯並び

対人関係において、第一印象というのが大きく影響するという話は色々なところで耳にします。始めの30秒で相手を判断しているといったような本もあります。

矯正治療をする目的は人それぞれ違いますが、今回は見た目に関連した第一印象と歯並びについてのコラムを書いてみようと思います。


先日興味深いデータを見つけましたのでご紹介します。それは、日本人の約9割に当たる89.6%もの人が笑うときに口元を隠すことがあるという調査結果です。調査をしたのは15年ほど前になりますが矯正歯科医会神奈川支部で行った調査で、海外の同様の調査ではアメリカで16.7%、イギリスで0%という数字が出ているそうです。

数字で見てみるとビックリしますが、確かに笑うときに口元を隠す人はよくみかけますよね。始めこの数字を見たときに、食事の際には口を開けないようにするなどマナーとして教えられ、日本は口元を隠す方が上品というイメージがあるのも影響しているのかも知れないと思いました。しかしこの約90%の人になぜ口元を隠すかという質問をしたところ、八重歯、でこぼこ、受け口、出っ歯などの歯並びの悪さを隠したいという答えが多かったそうです。つまり、食事の際のマナーなどとは違う観点からの数字だったということです。


実際歯科矯正治療を終えた患者さんに感想を聞くと、口を隠さずに笑えるようになったという喜びの声を多く聞くことが出来ます。

矯正治療に来られる子供の中には、叢生(でこぼこ)や出っ歯、受け口によりいじめを受けてしまっていたという方もいらっしゃいます。第一印象だけでなく大きく本人のイメージに影響を与えてしまっていた歯並びを治療することで自信を取り戻し、明るく生活できるようになったという声は後を絶ちません。

学校であれ、会社であれ人と接する際に口元や歯並びを気にしないでいられるようになったというのはとても嬉しいことです。これからも1人でも多くの人が笑顔に自信を持てるように矯正治療に携わっていきたいと思います。

投稿者 もも矯正歯科 | 記事URL

2014年12月10日 水曜日

受け口について

今日は「受け口」に関してのコラムを書いてみます。出っ歯と同じく受け口はとても日本人に多い症例です。矯正の言葉では「反対咬合(はんたいこうごう)」「三級症例(さんきゅうしょうれい)」と言い、本来上あごの方が前に出ているものが、下あごの方が前に出てしまっている状態を指します。


受け口は見た目にも分かり易いので、気にされて来院される患者さんも多いのですが、実は見た目だけではなく、様々な歯のトラブルにもつながってきていることが分かってきています。


今年のワールドデンタルショー(歯科医師の学会の一つ)や、厚労省からの発表にもありましたが、「受け口の患者さんで8020運動の達成者はいなかった」というデータが発表されました。


8020運動というのは、80歳まで自分の歯を20本残そうという運動で、今回の調査で受け口の患者さんが自分の歯を残すことがいかに難しいかということを物語っています。受け口をそのままにすることで歯磨きの難しさなどから歯周病になってしまったり、咬み合わせの問題から奥歯を早く失ってしまったり、様々な弊害へつながっていくことが発表にありました。


もも矯正歯科に来られる多くの受け口の患者さんは、見た目の改善を求めて来院されますが、見た目以上に「歯を残す」という視点で考えると矯正治療をすべき状態であることが分かってきます。
その為、子供のころから出来る限り顎の成長を促しながら矯正治療をすることがとても大切になってきます。
咬み合わせを治さずに成長することで、将来外科矯正が必要になってしまう場合も少なくありません。

見た目だけでなく、長く自分の歯を大切にしていくという視点でも矯正治療を考えていきたいものですね。

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2014年11月27日 木曜日

睡眠時無呼吸症候群

今日は矯正治療と一見関わりの無さそうな睡眠時無呼吸症候群と歯並びの関係に関してコラムを書いてみようと思います。

睡眠時無呼吸症候群は少し前に居眠り運転の原因として注目を集めましたが、呼吸の通り道となる上気道がふさがり、睡眠中に何度も呼吸が止まってしまうという病気です。

その原因となるものは様々あるようですが、そのうちの一つに歯並びも影響している可能性があります。歯並びというよりも咬み合わせの方になるかと思いますが、下顎後退症(下顎が小さく後ろに下がってしまっている症状)がその原因の一つとして考えられ始めています。

MBTという歯科矯正の一つの考え方、学会がありますが、そのグローバルミーティングでも南米チリの矯正専門医が耳鼻口腔科医、内科医、口腔外科医とチームを組んで無呼吸症候群患者の治療を行った発表をされたそうです。この治療は下顎の前方移動手術を矯正歯科治療と合わせて行い、無呼吸症候群を改善していくというものです。

また、子供の治療で上顎急速拡大という治療がありますが、これにより鼻腔・上気道が大きくなるという報告があり、無呼吸症候群の予防としても大変意味があります。


一昔前までは矯正治療と言うと歯並びを綺麗に並べるだけというイメージが強かったのですが、近年は顎全体のバランスを診たり、上に書いたように顔全体を含めた治療を行うようになってきました。


こういった視点が広がることで、歯並びと様々な病気の因果関係が見えてくる場合もあり、矯正治療をする価値が広がってきました。


全ての無呼吸症候群の原因が咬み合わせからきていると言い切れるわけではありませんが、矯正治療をすることで鼻呼吸が出来るようになったというような体感話は色々なところで耳にします。歯並び以外の感動も含めて患者さんの喜びにつながればと思います。

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